思考には素早く決断を下すシステム1と、じっくり考えてから答えを出すシステム2があります。
システム1はクイズ番組で答えを即答する回答者や情報番組のコメンテーター、システム2は将棋のタイトル戦で長考しているプロ棋士や学問を深く追究する学者をイメージしてもらうと分かりやすいと思います。
現代では即答できる人が持て囃される傾向にあるので(クイズ番組も多いし)、システム1を使う頻度が高いと言えそうです。
しかしシステム1には問題があります。どのようなものかと言いますと、未知の領域のものにも考えずに即答してしまうことがあるのです。
あまりよく考えずに、脊椎反射のように答えを出してしまうのです。
前回のブログでウイルス=悪者、ワクチン=救世主と書きましたが、これはシステム1で答えを出したものです。ですが実はこの答えはシステム1的には正しいのです。
人類は過去に伝染病でかなりの人が亡くなっていて、それを恐れる機能やDNAの仕組みがあると思いますし、ワクチンによって少なからず効果があった病気もあるためです。
ですから反射的にウイルス=悪者、ワクチン=救世主となってしまうのは仕方ありません。
しかしシステム1は前回と同じような状況であれば便利なのですが、今回のように人類初となるmRNAワクチンですぐに答えを出すのは問題があります。未知の領域では過去の実績が使えない(使いにくい)からです。
こういった場合はじっくりと思考するシステム2を使うのが良いのです。
しっかりと情報を集めて一旦立ち止まり、本当に打つべきかどうか考えてみます。
決して条件反射的に反応しないことです。
周りに流されず、同調圧力に屈しないことです。
その中で生まれた答えは、システム1のものより純度の高い答えとなります。
システム1とシステム2、意識して使い分けてみましょう。